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2025.12.05

ガイドラインというロゴのトリセツ

ガイドラインというロゴのトリセツ

ロゴって、名刺や、資料、Webサイト、広告、看板などなど、多くの場面で使われますよね。

使う人はデザイナーだけではありません。
社内で資料をつくる人や外部の印刷会社、営業担当など、
ロゴはいろんな人が使うことが想定されます。

その過程で、色や比率、余白などが変わることがあってはいけません。
なぜなら、ロゴが持っている本来の意図や印象を損なう危険性があるからです。

だからこそ、ロゴには「取扱説明書」 のようなガイドラインというものが存在します。

ブランドを守るための、ガイドラインという基準

ガイドラインとは、ロゴの色、サイズ、余白、背景との組み合わせや、
変形や独自アレンジを避けるための禁止事項などを定めて、
誰が使っても、どこで使われても、変わらない印象を保つためのものです。

ロゴは、多くの人が扱います。
デザイナーだけでなく、社内で資料をつくる人、外部の印刷会社、営業担当など、
さまざまな場面で、いろんな人が扱いますと冒頭お伝えしました。

では、ガイドラインがないとどうなるでしょうか。

なんとなくの感覚などで、例えば「Webサイトの背景が黒いから、
視認性を上げるためにロゴの色を勝手に白に変えよう」と思って指定外の色に変えてしまったり、
スペースに収めるために縦横比を変えてしまったり、
余白を詰めて、窮屈な印象にしてしまったり。

悪気はなく良かれと思って、やった行為が、
本来持っている伝わり方を発揮しない 残念な結果になることもあると思います。

ガイドラインが定める内容と、その意味

ガイドラインには、ロゴを正しく扱うための要素がいくつか定義されています。
それぞれは単なる“決まりごと”ではなく、ロゴの意図や印象を守るための大切な理由があります。

わずかな色味の違いでも、ブランドの印象は大きく変わります。
媒体や環境が変わっても同じ色に再現できるよう、
カラーモードや値(CMYK・RGB・HEX など)を明確にしておきます。

サイズ

小さすぎると視認性が落ち、大きすぎるとバランスが崩れます。
最小サイズや推奨サイズを定めることで、どんな場面でも読み取れる状態を保つことができます。

余白

ロゴの存在感をきれいに保つためのものです。
文字や写真に近づきすぎると窮屈に見え、印象が損なわれます。
周囲に確保すべき余白を決めることで、本来の佇まいを維持できます。

背景との組み合わせ

色によってはロゴが沈んだり、見えにくくなったりするため、
使用していい背景色・避けるべき背景色を定義しておきます。

変形や独自アレンジを防ぐための禁止事項

縦横比の変更やトレース、影の追加など、
意図が損なわれる使い方をあらかじめ避けるための項目です。

その他の項目

  • ファイル形式の使い分け(AI / SVG / PNG など)
  • モノクロ使用時の指定
  • ロゴと文章の位置関係
  • 写真上で使用する際のガイドライン

など、必要に応じて追加する場合もあります。

これらはどれも、「同じロゴなのに、同じように見えない」という状況を防ぐためのものです。
ロゴが本来持っている“伝わり方”を守るために存在します。

ロゴの価値を守るということ

実は、ガイドラインがないロゴを扱うことも、時々あります。
その場合は、制作者がどんな意図で形や色を決めたのかを想像し、
おそらくこういう意図があるのでは?と手探りで扱っていきますが、
それはあくまでも推測でしかありません。

本来なら迷わなくていい部分で迷ってしまうのですが、
ガイドラインがあれば、その迷いがなくなります。
決めるべき基準が整理されていることで、
誰が関わっても同じ判断ができ、ロゴの使われ方が安定します。

だからこそガイドラインは、ロゴを長く使うために欠かせない存在です。

使う人や環境が変わっても、ロゴがブレずに機能し続ける。
その状態こそが、ブランドにとって理想だと思います。

せっかくつくったロゴが、扱う人や環境で姿を変えてしまうのは、
とてももったいないことです。
ガイドラインは、その「もったいない」を防ぐための、
もっとも重要な「トリセツ」です。

この記事の著者

原 暢平

原 暢平 HARA Yohei

株式会社 もずくとおはぎ CCO

落ち着いた物腰と柔らかな佇まいの中に、青い炎のような熱を秘めている。

妥協を一切許さない彼のスタンスは、細部にまで理由を宿したデザインを紡ぎ出すため。
その設計へ一貫して注がれる美意識は、まさに職人技。

どこまでも貪欲に高みを目指し、進化していく自分を楽しみながらクリエイティブと向き合っている。

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