「便利」と「また買いたい」の違いとは?CXを分けるたった1つのポイント
機能は増えたのに、心は動いているか?
ECの相談を受けていると、よくこんな声を聞きます。
「検索もしやすくしたし、決済も増やしたし、配送も早くしたんです。
なのに、リピート率があんまり変わらなくて……」
冷蔵庫をパンパンにしても、
「今日食べたいものがない」と言われるあの感じに、ちょっと似ています。
機能という “食材” は増えているのに、
メニュー=体験のストーリー として組み立てられていない。
この記事で伝えたい「たった1つのポイント」は、ここです。
CXを分けるのは、機能の量ではなく、体験が“点”で終わるか、“線”になっているか。
- 「便利だな」で終わるEC
- 「次もここでいいな」と、また選ばれるEC
この差を、
CX(顧客体験)というレンズで見直していきます。
「便利」と「また買いたい」の違い

「便利なEC」は“親切な売店”レベルで止まりがち
多くのECサイトは、まずこんな改善からスタートします。
- 絞り込み検索が増えた
- 決済手段が増えた(3Dセキュアにも対応)
- 配送状況がちゃんと追える
- カート周りのUIが分かりやすくなった
どれも大事。
ここがガタガタだと、そもそも戦えないので、
「買えるサイト」としての最低ラインです。
ただ、このレイヤーだけだと、
駅ナカの 「たまたま見つけた、便利な売店」 ポジションから抜け出せません。
- たまたま見つけて
- たまたま買って
- 次も「たまたま」じゃないと選ばれない
この状態だと、リピーター獲得やロイヤルティプログラム、
レコメンド、ダイナミックプライシングなどを入れても、
“点で便利” なだけで終わってしまいます。
「また買いたいEC」は、“物語”として覚えられている
一方で、「また買いたい」と感じるECは、
お客様の体験が “物語”として頭に残る構造 になっています。
- SNSやコンテンツでブランドを知る
- ブランドサイトで世界観や使い方をイメージする
- スムーズにECで商品を選ぶ(レコメンドも自然に効いている)
- 購入後、メール/LINE/自社アプリの通知で「いいタイミング」のフォローが来る
- 会員ランクやロイヤルティプログラムで、「自分はここで歓迎されている」と感じる
1つ1つは同じような施策でも、
バラバラの点として存在しているのか
1本の線としてつながっているのか
ここが、「便利」と「また買いたい」を分ける境目です。
分断が起きやすい3つのシーン
体験が“線”になりきれず、よく分断するポイントはだいたい決まっています。
① 見つけるシーン
- 検索結果から飛んだ先が、ブランドサイトなのかECなのか分かりづらい
- ネットスーパーやモールから来ると、「そのブランドの全体像」が見えない
- スマホで見ると、目的の商品までの道のりがやたら長い
ここで迷子になると、
ブラウザの「戻る」ボタンが最強の離脱導線になります。
② 選ぶシーン
- レコメンドが“自分ごと”に見えず、「とりあえず関連商品を並べました」感が強い
- ダイナミックプライシングは導入したけど、「なぜこの値段?」が伝わっていない
- 比較に必要な情報(価格・スペック・在庫・レビュー・配送条件)が散らばっている
結果、「なんかよく分からないから、いつものモールで買うか」に流れやすくなります。
③ 続けるシーン
- 実店舗とECで、会員情報・ポイント・ロイヤルティプログラムが別物
- メール・LINE・アプリ・店頭POP、それぞれ伝えていることがバラバラ
- AIエージェントやチャットでの相談履歴が、その後の体験に反映されない
お客様の側からすると、
「毎回、“初めまして” から始まる関係」
になってしまい、リピーターにはなりづらい。

事例:ティファール公式サイトに見る「線でつなぐCX」
ブランドサイトとECが分かれていた頃の課題
フランス発の調理器具・小型家電ブランド「ティファール」を展開する
株式会社グループセブ ジャパンでは、かつて
- ブランドサイト(製品情報・レシピ・ニュース)
- 公式オンラインストア(購入)
を別々に運営していました。
その結果、
- トラフィックが分散し、SEOの評価も二つに割れてしまう
- 更新・運営が二重管理で非効率
- SNSから流入してきたお客様の導線が、「情報を見る場所」と「買う場所」で分断されている
といった課題が生まれていました。
まさに、便利な点がバラバラに浮いている状態だったわけです。
「ティファール公式サイト」として一本化
そこで同社が選んだのが、
ブランドサイトとECを統合し、「ティファール公式サイト」として一本化する
というアプローチです。
新しい公式サイトでは、
- 3,000件以上のレシピ
- 製品情報・使い方・FAQ
- 最新ニュースやキャンペーン情報
- そして、そのまま購入できるEC機能
といったコンテンツが 1つのサイトに集約されています。
お客様は、
- レシピやコンテンツで「こう使いたいな」とイメージする
- そのまま、必要な調理器具や家電を選んで購入できる
という、“知る → 欲しくなる → 買う” までのストーリーを1本の線でたどれるCXになりました。
日本市場に最適化されたCX設計
さらに、ティファール公式サイトは
- 日本の住所・郵便番号・送料体系などの商習慣に合わせた設計(ローカライズ)
- 将来的なOMOや会員情報連携を見据えたデータ活用の下地づくり
といった“裏側”も含めて、日本のユーザーに最適化されたCXを重視しています。
ここで効いているのもやはり、
「点で増やすのではなく、線でつなげる」
= 体験をバラバラにしない
という考え方です。
GMOクラウドECで「線になるCX」をつくる
ティファールの事例の裏側には、
国産のヘッドレスECパッケージ「GMOクラウドEC」 があります。
ここからは、少し“裏側の配線”の話です。
フロントは自由、バックは一本の“幹線”に
ヘッドレスコマースをざっくり一言でいうと、
「見た目は好きに変えられるけど、
裏側の心臓と血管は1つにまとめておけるECの仕組み」
です。
- ブランドごとにUIや世界観を変えたい
- BtoC、BtoB、ネットスーパー…売り方が複数ある
- でも、在庫や会員情報、受注・決済の“基礎体力”はまとめて管理したい
こんなとき、GMOクラウドECのような
ヘッドレスなECパッケージ+API連携 は相性がいいです。
フロントは自由にデザインしながら、
バックエンドは1つの「幹線道路」として整えておけるイメージですね。
API連携は、CXの「配管工」
「API連携」という言葉は少し堅いですが、
CXの観点で見ると “配管工” のような存在です。
- 基幹システム
- MAツール
- レコメンドエンジン
- ロイヤルティプログラム
- 外部決済
- AIエージェントやチャットツール
これらがバラバラに存在しているだけだと、
「部屋ごとに蛇口があるのに、どれも水が出ない家」みたいな状態になります。
GMOクラウドECは、この配管を
- 1つの顧客ID
- 1つの会員情報
- 1つの購買履歴
にまとめて扱える構成を取りやすい設計になっているので、
- ECでの購入
- アプリでのスタンプ
- 実店舗での来店履歴
などを同じ“線”の上で扱えるようになります。
ロイヤルティプログラムやレコメンド、ダイナミックプライシングも、
ここまでつながって初めて 「CXとしての効果」を発揮します。
セキュリティと運用も“空気のようなCX”
CXは「見た目」だけではなく、
「何も起きない安心感」も含めて体験です。
- 決済で変なエラーが出ない(3Dセキュア含むセキュリティ)
- セールやキャンペーンでアクセスが集中しても、サイトが落ちない
- 長く運用しても、古くならず、ちゃんとアップデートされていく
GMOクラウドECは、
- 自動アップデートされるEC基盤とセキュリティ対策
- インフラに強いGMOインターネットグループのバックボーン
- 365日のサポート
といった“空気のような安心感”も込みで、
裏側からCXを支える国産ECパッケージです。
便利を増やす前に、「線」でつなげる

ここまでを、もう一度シンプルにまとめます。
- 「便利」と「また買いたい」を分けるたった1つのポイントは、
体験が“点”でバラバラか、“線”でつながっているか。 - 検索・閲覧・購入・フォロー・再購入。
それぞれを個別最適するだけでは、リピーターは増えにくい。 - ティファール公式サイトのように、「ブランドサイト×EC」を統合し、
日本市場にローカライズされたCXを設計することで、体験は一気に“線”になる。 - その裏側を支える基盤として、
ヘッドレスコマース+API連携が得意な GMOクラウドEC は、
「点在する接点を1本のCXに束ねる」役割を担える。
ここからやるべきことは、いきなり大掛かりな刷新ではなくて、
- 自社の「見つける/選ぶ/続ける」を紙に書き出してみる
- ブランドサイト、EC、アプリ、SNS、実店舗のどこで“体験が途切れているか”に丸をつける
- 「この線をどうつなげ直すか?」という視点で、EC構築や再構築の優先順位を決める
この3ステップからで十分です。
「もっと機能を足す」から
「お客様の体験を、1本の線にそろえる」へ。
その発想に切り替えた瞬間、
CXもリピーター戦略も、かなり違って見えてきます。
GMOクラウドECは、その“点を線につなぐところ”から伴走できる土台です。
「ちょっと話を聞いてみたいな」と思ったタイミングで、気軽に声をかけてください。
まだモヤモヤしている段階の相談でも歓迎です。一緒に、自社らしいCXの形をスケッチしていきましょう。
※関連リンク:「GMOクラウドEC」公式サイト




