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2025.10.15

リピート率が伸びない理由は“売り方”にある?LTVを改善する思考法

リピート率が伸びない理由は“売り方”にある?LTVを改善する思考法

リピート率が伸びないのは“売り方”のせいかも

「新規のお客さんは増えているのに、売上は思ったほど伸びていない」
「広告を打っても、そのときは売れるけど長続きしない」
ECを運営していると、こんな悩みはよくあります。原因は商品ではなく、“売り方”にあることも多いんです。新規顧客を追いかけることに集中しすぎて、既存顧客との関係づくりが後回しになっていませんか?
ここで注目すべきなのが LTV(ライフタイムバリュー=顧客生涯価値)。LTVを伸ばせば、自然とリピート率が上がり、売上も利益も安定していきます。

LTVとは|お客さまと“いい関係”を長続きさせるための指標

LTVなんて言われると「横文字だし難しそう…」って思いますよね。ざっくり言うと 「お客さまとどれだけ長く、深くお付き合いできるかを数字にしたもの」 です。

恋愛に例えるとイメージしやすいかもしれません。1回だけのデートで終わる関係と、何年も続く関係では、その人が人生に与える影響はまるで違います。ECも同じで、一度きりで去ってしまうお客さまと、何度もリピートしてくれるお客さまでは価値がまったく違う。これを測るのがLTVなんです。

計算式もいくつかあります。

  • 一般式:購入単価 × 収益率 × 購入頻度 × 継続期間
  • BtoB式:年間取引額 × 収益率 × 継続年数
  • サブスク式:平均単価 × 粗利 ÷ 解約率

数字だけ見るとややこしいですが、要は「またここで買いたい」と思ってもらえる体験をつくれるかどうか。数字はその結果を示す“物差し”にすぎません。

なぜ今LTVが注目されているのか

ここ数年、LTVが特に重視されているのには理由があります。

  • 新規獲得コストが高騰:広告費が上がり、昔のように気軽に新規を取れなくなった
  • サブスクやネットスーパーの普及:継続利用が前提のサービスでは、LTVを見なければ成果が測れない
  • テクノロジーの進化:API連携やAIエージェントの活用で、顧客一人ひとりに合わせた体験設計が可能になった

つまり「LTVを伸ばす=お客さまと長くいい関係を築くこと」が、今のECにおいて事業成長のカギになっているのです。

LTV改善のヒントは“関係性”にある

1:5の法則と5:25の法則

マーケティングでよく語られる「1:5の法則」。これは「新規顧客を獲得するコストは、既存顧客を維持するコストの5倍かかる」という経験則です。毎回新しい人を探して合コンに行くより、いま隣にいるパートナーを大事にしたほうが効率的――そんなイメージです。

さらに「5:25の法則」もあります。Bain & Companyの研究によると、顧客維持率を5%改善するだけで利益が25%以上改善する可能性があるとされています。小さな改善でも大きな成果を生むことがある。まさに人間関係と同じで、“ちょっとした気配り”が長続きの秘訣なんです。

リピートが伸びないときにありがちな壁

  • レコメンドが形式的で「私のことわかってないな」と感じさせてしまう
  • ロイヤルティプログラムがポイント配布だけで終わっている
  • ダイナミックプライシングが活用されず、体験に“ワクワク感”がない

解決策の方向性

  • パーソナライズの徹底:AIエージェントやAPI連携を使って、「この店は自分の好みをわかってくれている」と感じてもらう
  • 安心できる体験設計:3DセキュアやECパッケージで「ここなら安心して買える」と思ってもらう
  • ロイヤルティプログラムの進化:ただの割引ではなく、紹介や利用頻度なども評価して「自分は特別扱いされている」と感じてもらう

要するにLTV改善とは、数字の話ではなく お客さまとどうやって“いい関係”を続けるか という話なんです。

成功事例|既存顧客との関係を見直した結果

事例1|飲料メーカーのサブスクリプションモデル

ある飲料メーカーは、従来の「一度買って飲んだら終わり」という売り方を変えるため、定期配送型のサブスクリプションサービスを始めました。工場直送のビールを月に数回届けることで、顧客との接点を継続的に確保。

配送回数や内容を自由に選べる柔軟な仕組みを取り入れたことで、ライフスタイルに合わせて楽しめるサービスへと進化しました。さらに、利用者の声を取り入れて改善を重ねることで満足度もアップ。結果的にリピート率が伸び、LTVの底上げにつながりました。

事例2|健康食品企業のクロスセル戦略

健康食品を扱う企業は、主力商品の購入者に「一緒に使うと効果が高まる別商品」をクロスセルとして提案しました。単品販売に依存していたときは伸び悩んでいた売上も、セット購入を増やす仕組みを導入したことで顧客単価がアップ。

サイトの導線も見直し、セット利用のメリットをわかりやすく提示した結果、「自分に合った買い方ができる」と感じた顧客が増え、LTV改善と満足度向上の両立に成功しました。

LTV改善は“売り方”を見直すことから

広告で新規顧客を集めても、長続きしなければ意味がありません。これからの成長のカギは「今いるお客さまとどれだけ長く良い関係を築けるか」です。

  • LTVは「顧客との関係性を数字でとらえる指標」
  • 1:5の法則と5:25の法則が示すように、既存顧客を大切にすることが効率的な成長につながる
  • ロイヤルティプログラムやレコメンド施策を工夫すれば、顧客体験も売上も底上げできる

私はこれまで、ECの構築や運営を“机上の戦略”ではなく“現場のリアル”と向き合いながら支えてきました。LTVの改善は数字の話に見えて、実際は人との関係づくりです。
「うちのECももっと人に愛される形に変えたい」と感じているなら、お気軽にご相談ください。“愛され方”を一緒に探していきましょう。

※関連リンク:「GMOクラウドEC」公式サイト

この記事の著者

浦川 航平

浦川 航平 URAKAWA Kohei

株式会社 もずくとおはぎ 代表取締役 CEO

長崎県佐世保市出身。 経営者と芸術家。ふたつの顔を持つ男。

家具・プロダクトデザイナーから通販会社のダイレクトマーケッターを経て2012年にウェブ業界へ足を踏み入れ、2023年3月に独立。経営者の道へ。

「右脳」と「左脳」を自由に行き来する独自のスタイルで、戦略的なプロデュースと緻密なマネジメント、そして人の懐にスッと入る柔軟な人柄を武器に、数々のクライアントの本質的課題に切り込み、解決へと導いてきた。

2025年6月、「GMOクラウドEC」エバンジェリストに就任。
GMOメイクショップ株式会社との連携を通じて、EC領域のさらなる可能性を追求している。

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