挑戦の先に生まれた作品 - HANAMICHI
こんにちは。広報の河野です。
ichirinの代表的な作品のひとつに 「gift_rose_multi」があります。

隣り合う2本の薔薇が、それぞれのスピードで咲き誇り、朽ちていく作品です。
この作品では、 すでに染色された花を使用しています。
ある時浦川が、こう問いかけました。
「花の染色から、自分たちでできないだろうか?」
花の染色、やってみよう。
まずは調査から。
花はどうやって染まるのか。
どんな染料を使うのか。
花に負担はないのか。
染料の種類を調べ、花用の染色液を購入。
メンバーそれぞれが染めてみたい花を選び、いざ実験へ。
まず、染める前に花を一度水から出して、軽く脱水状態をつくりました。
そうすると、染料を吸い上げやすくなるそうです。
そして、茎の切り方。
断面の角度で吸い上げ方が変わる。
……が、そう簡単にはいきません。
色がうまく入らない。
ムラになる。
思ったより時間がかかる。
まったく違う場所が染まる。


きれいに染まるまでの道のりは、なかなかに遠いものでした。
きれいに染めるための“コツ”
実際に試してみると、染料の濃度もとても重要でした。
ほんの少しの違いで、 印象がまったく変わります。
そして何より、 花によって染まり方が違うということ。
同じ薔薇でも、 染まる早さも、色の広がりも違う。
生き物を扱っているのだと、 あらためて実感する瞬間でした。
そして、生まれた「HANAMICHI」
実際に花を染めてみてわかったのは、想像以上に難しいということ。
色の入り方は読めない。
花への負荷も大きい。
管理も繊細。
“きれいに染める”ことが、どれだけ繊細で大変な作業かを知りました。
そして、この挑戦の中で生まれた作品が「HANAMICHI_rose_black-red_2024」です。

あの瞬間にしか生まれなかった一輪の花。
染色ゆえに早く散っていく姿。
まるで、その儚さを閉じ込めたようです。
挑戦の先にあったこの一輪も、ichirinの歩みのひとつとして、大切な作品となりました。
あのときの色や、散っていくまでの時間も含めて、作品の奥に静かに息づいています。



