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2025.09.10

価格競争から脱却するには?“ファン化”を生むロイヤルティプログラム設計術

価格競争から脱却するには?“ファン化”を生むロイヤルティプログラム設計術

値下げ合戦、そろそろやめませんか?

「もうちょっと安くならない?」と迫られる日々から卒業しませんか?
価格ではなく“ここだから買いたい”と思われる関係をつくるカギ——それがロイヤルティプログラムです。

価格競争の落とし穴|勝っても負けても疲弊するだけ

今の市場は商品もサービスもあふれ、すぐにマネされます。
気づけば値下げの繰り返し。安さで集まったお客さまは、もっと安い場所にすぐ移ってしまう。
だからこそ、価格以外の“選ばれる理由”が必要なんです。

ロイヤルティプログラムとは?|“お得”より“愛着”をつくる仕組み

ロイヤルティプログラムとは、単なる割引やポイント配布ではなく、「またここで買いたい」と思わせる関係性づくりのための仕組み
顧客はモノやサービスそのものだけでなく、そのブランドとのやり取りや体験にも価値を感じています。
「気持ちよく買えた」「自分のことをわかってくれている」——そうした経験の積み重ねが、他にはない愛着につながります。

「満足」と「ロイヤルティ」は似て非なるもの

  • 顧客満足度:買った瞬間の満足感。単発のキャンペーンや価格の魅力で上がることも多いですが、その後すぐ他に流れてしまう可能性があります。
  • 顧客ロイヤルティ:ブランドや会社への信頼と愛情。価格や利便性以外にも「このブランドだから」という理由で選び続けてもらえる状態です。

ロイヤルティプログラムの目的は、この「ロイヤルティ」を計画的に育てること。つまり、一度きりではなく長期的に関係を維持・深化させる仕掛けを組み込むことです。

人気のプログラム8選

  1. ポイントプログラム
    購入金額に応じてポイントを付与し、次回以降に利用可能に。
    例:スーパーでの買い物やオンラインショッピングでポイントを貯め、商品や割引に交換。
  2. 会員ランク制度
    年間購入額や来店回数でランクアップ。
    例:シルバー→ゴールド→プラチナと上がるごとに送料無料や先行セール招待などの特典を追加。
  3. 有料会員制(プレミアムメンバー)
    月額や年額の会費を支払うことで、送料無料・特別割引・限定コンテンツなどが受けられる。
    例:Amazon Primeのように「入っていることが当たり前」になるレベルの価値提供。
  4. 友人紹介プログラム
    紹介した人もされた人も特典がもらえる。
    例:アパレルブランドで、紹介者には次回20%OFF、紹介された友人は初回送料無料。
  5. 共通ポイントプログラム
    複数の提携店舗で使える共通ポイント(Tポイント、Pontaなど)を導入。顧客の利用機会を広げることでブランド接触頻度も増加。
  6. キャッシュバック型
    購入金額の一部を現金やポイントで還元。
    例:クレジットカード利用で1%還元、さらに特定日には還元率アップ。
  7. 限定イベント・体験型
    VIP顧客向けの特別イベントや先行販売会を開催。
    例:新作コレクションの試着会や、開発者と直接話せるオンラインミートアップ。
  8. 商品・サービス体験型
    新商品の試供品や先行利用の機会を提供。
    例:家電量販店で新モデルのモニターキャンペーンを実施し、使用感のフィードバックと引き換えに割引を提供。

こんなメリットがあります

  • リピート率UP:特典や仕組みが「また行こう・また買おう」を自然に促す。
  • LTV(顧客生涯価値)UP:購入期間が長くなるほど利益率も向上。
  • 集客コストDOWN:既存顧客の維持コストは、新規顧客獲得コストの約1/5。安定的な収益基盤になる。
  • 口コミ効果:ロイヤルティが高い顧客は、自発的にブランドを紹介してくれる。広告費ゼロで新規獲得のチャンスが広がる。

ロイヤルティプログラムは「お得だから続ける」ではなく、「好きだから続ける」状態をどうつくるかが本質です。

OMO+API連携でロイヤルティが一気に花開く

ロイヤルティプログラムを導入しても、「オンラインではできるけど店舗ではできない」状態だと、顧客体験がちぐはぐになってしまいます。
そこで注目したいのがOMO(Online Merges with Offline)という考え方。これは、オンラインとオフラインの垣根をなくし、顧客にとってシームレスで心地よい購買体験をつくる手法です。

OMOってなに?|チャネルを“ひとつの世界”にする発想

OMOは「オンライン」と「オフライン」を別々に考えるのではなく、両方を統合して顧客接点を一元管理するアプローチです。
こんな状況を想像してみてください。

  • アプリで気になった商品をチェックしていたら、近くの店舗の在庫状況が表示され、試着予約までできる
  • 店舗でスタッフと会話していると、ECサイトでの購入履歴や好みのデータをもとに「これもお好きかもしれません」と的確な提案が受けられる
  • 店頭で買えなかった色やサイズも、その場でEC在庫から自宅配送してくれる

こういった「どこで買っても同じブランド体験」が実現できるのがOMOです。

API連携がもたらす“つながる力”

OMOの実現にはデータとシステムのつながりが欠かせません。ここで活躍するのがAPI連携です。
APIを使えば、ECサイト、POS(販売管理)、在庫管理、CRM(顧客管理)、会員アプリ、マーケティングツールなどがリアルタイムで情報をやり取りできます。

連携の効果は具体的にいうと——

  1. 在庫の一元管理
    店舗・ECの在庫情報を統合し、どこからでも最適な出荷が可能に。
    → 欠品や機会損失を減らし、顧客満足度UP。
  2. 購買データの即時反映
    店舗購入の情報がすぐにECやアプリに反映され、パーソナライズされたレコメンドやクーポン配信が可能。
    → 「わたし専属」のサービス感を演出。
  3. 価格やキャンペーンのリアルタイム適用
    ダイナミックプライシングや会員ランク特典を、店舗でもECでも同時に適用。
    → 顧客がどこで買っても損しない安心感を提供。
  4. チャネル横断の分析と施策立案
    オンラインとオフライン両方の行動データを掛け合わせ、施策の効果を高精度で分析。
    → マーケティング投資の最適化が可能に。

実際の体験シナリオ

ゴールド会員のAさんがアプリで新作バッグをチェック。

店舗に行くとスタッフのタブレットにAさんの閲覧履歴と好みが表示され、「この色違いも人気ですよ」と提案。

店舗在庫にはなかった限定カラーも、その場でEC在庫から購入手続き&自宅配送。

帰宅後、アプリに「次回使える10%OFFクーポン」と限定イベント招待の通知が届く。

——こうした一連の流れは、OMOの発想とAPI連携があってこそ成立します。

導入のポイント

  • 小さく始める:全システムを一気に繋ぐのではなく、影響の大きい部分から段階的に。
  • データ活用の設計:集めたデータをどう使うか、活用シナリオを先に決める。
  • 部門間の連携:ECと店舗、マーケティングとIT…社内の壁を越えて共通目標を持つ。

OMO+API連携は、ロイヤルティプログラムを単なる「お得な仕組み」から「ファンを育てるブランド体験」へと進化させます。

“安さ”ではなく“あなたらしさ”で選ばれる時代

ロイヤルティプログラムで愛着を育み、OMO+API連携で体験を磨き上げれば、価格競争から抜け出せます。
「もっとファンを増やしたい」「顧客体験を底上げしたい」なら、今が動くタイミングです。

GMOクラウドECなら、ロイヤルティプログラムからOMO・API連携まで、“ファン化”を生む仕組みづくりを丸ごとサポート

「具体的に何から始めたらいい?」
「うちのやり方でもできる?」

そんな疑問が浮かんだら、それが第一歩のサインです。

今日の一歩が、半年後・一年後の売上とブランド価値を変えていくことでしょう。

※関連リンク:「GMOクラウドEC」公式サイト

この記事の著者

浦川 航平

浦川 航平 URAKAWA Kohei

株式会社 もずくとおはぎ 代表取締役 CEO

長崎県佐世保市出身。 経営者と芸術家。ふたつの顔を持つ男。

家具・プロダクトデザイナーから通販会社のダイレクトマーケッターを経て2012年にウェブ業界へ足を踏み入れ、2023年3月に独立。経営者の道へ。

「右脳」と「左脳」を自由に行き来する独自のスタイルで、戦略的なプロデュースと緻密なマネジメント、そして人の懐にスッと入る柔軟な人柄を武器に、数々のクライアントの本質的課題に切り込み、解決へと導いてきた。

2025年6月、「GMOクラウドEC」エバンジェリストに就任。
GMOメイクショップ株式会社との連携を通じて、EC領域のさらなる可能性を追求している。

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