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2026.02.27

「作れる会社=クリエイティブな会社」- は???

「作れる会社=クリエイティブな会社」- は???

クリエイティブとは、何を指しているのか?

株式会社もずくとおはぎにとって、クリエイティブとは「制作物を作ること」そのものではない。もっと言えば、目に見える制作物はクリエイティブの一部でしかない。

だから私は「制作物を作れる会社=クリエイティブな会社」という等式を認めていない。

私たちが日々向き合っているのは、空気感、満足感、感情、気づき、心地よさ、コミュニケーションにまで至る。

誰かが言葉にできずに困っていることに手を差し伸べ、隣に立ち、伴走すること。曖昧な違和感を言語化し、かゆいところに手を届かせ、まだ本人すら気づいていない潜在的な課題や構造を、そっと可視化すること。

こっちの方が、よほど重要で大切。

私たちの事業ドメインにおいて私たちが提供している価値は、これらの領域内の制作物そのものと言うよりは、領域の分断を越えて横断し、「やり取りの根本」「関係性の起点」「問いの立て方」にぐっと踏み込んで介入すること。そこにこそ、私たちのクリエイティブが存在していて、モノゴトの最適解にたどり着くことができる。もう、「作れる人(会社)」が「クリエイティブな人(会社)」という時代はとっくに終わっている。
そろそろ、その前提を更新してもいい。

作る、創り出す

クリエイティブかどうかの明暗を分ける一番の基準は、「何を作れるか」ではなく、「何を創り出すか」だと思っている。

社会に対して、どんな変化を起こしたいのか。誰の、どんな状態を、どう変えたいのか。
そこに対する意思がない制作は、どれだけ美しくても、どれだけ高機能でも、ただの成果物で終わる。

私たちが向き合っているのは、便利なサイトを作りたい訳でも、かっこいいデザインを作りたい訳でもなく、

・人と人のコミュニケーションが、少しだけスムーズになること
・言葉にならなかった違和感に、名前がつくこと
・自分たちのやっていることに、腹落ちが生まれること
・チームの空気が、ほんの少し軽くなること

そういった、状態の変化だ。

社会はモノだけで動いていないからこそ、感情や認識、関係性といった、目に見えないものに大きく左右される。

だから、「何を創りたいか」を語れないまま、「何を作れるか」だけを語るのは、とても薄っぺらだし、そもそも順番が逆なのだ。

どんな技術を使うかは手段でしかない。
どんな表現を選ぶかも結果でしかない。

その前に、「自分たちは社会に対して何を差し出したいのか」が定まっていないなら、クリエイティブという言葉を使う資格はない。

あなたのアウトプットは、クリエイティブか否か

少し踏み込んだ表現をすると、言われるままに作るだけの制作はクリエイティブではない。

それがどれだけ高いクオリティでも、どれだけスピードが速くても、どれだけ安定していても、だ。

「要件どおりに作りました」
「ご要望どおりです」
それは仕事として正しい。社会には必要。でも、それ以上でも以下でもない。

時には要件の外側に踏み込み、要望の裏側にある感情や構造を読む。そして、「それ、本当に必要ですか?」と問い返す。

私たちはアウトプットがクリエイティブと呼べるまで引き上がるかどうかは、どれだけ問いが含まれているかで決まることを知っているから、常に自問自答もしているのだ。
「これは、ただ作っただけか?」
「それとも、何かを変えたか?」と。

ただの消費対象でしかない問いのない成果物。

対して、人の思考を動かす問いのある成果物。

もしあなたのアウトプットが、誰かの思考、感情、行動を一ミリも動かしていないなら、それはクリエイティブとは呼べない。

厳しいけれど、これが現実だ。

クリエイティブの範囲とは

そして、クリエイティブを「デザイン」や「制作物」に限定した瞬間、一気に痩せ細る。

本来、クリエイティブとは価値の再定義であり、関係性の再構築であり、認識のズレを整える行為だ。

・場の空気を読んで、創り出す
・相手の言葉の奥にある意図を感じ取る
・違和感を放置せず、言語化する
・まだ顕在化していない問題を、問題として提示する

制作物がなくても、コードを書かなくても、絵を描かなくても、人や組織の状態を変えているなら、それは立派な創造行為であり、 「作っていないのに、何かが変わった」この状態を生み出せることこそ、成熟したクリエイティブだと思う。

私たちが領域横断で仕事をしているのも、この範囲を狭めたくないからだ。

WEBでも、芸術でも、AIでも本質的にやっていることは同じ。人と人の間にある、見えないものにまで積極的に介入している。

クリエイティブは手元に

「うちは制作会社じゃないから」
「うちはデザインやってないから」
「うちはITじゃないから」

そうやって、クリエイティブを他人事にしている会社は多い。
でも、本当にそうだろうか。

もしあなたが、 誰かの困りごとに本気で向き合い、状況を整理し、関係性を調整し、前に進むための選択肢を増やしているなら、それはもう十分にクリエイティブだ。

条件は 作れるかどうかではなく、変えられているかどうか。

目に見えない価値を扱い、人や組織の思考や感情の流れを敏感に察知し変化を起こし、社会に、誰かに、何かに、確かな変化を起こしているなら、あなたはもう、立派に創り出している。制作物がなくても、だ。

と考えると、既に手元に存在している。

「作るだけの会社」より、よっぽど価値を感じる。

もう胸張って 「ウチはクリエイティブな会社です」 って言っちゃったら?

この記事の著者

浦川 航平

浦川 航平 URAKAWA Kohei

株式会社 もずくとおはぎ 代表取締役 CEO

長崎県佐世保市出身。 経営者と芸術家。ふたつの顔を持つ男。

家具・プロダクトデザイナーから通販会社のダイレクトマーケッターを経て2012年にウェブ業界へ足を踏み入れ、2023年3月に独立。経営者の道へ。

「右脳」と「左脳」を自由に行き来する独自のスタイルで、戦略的なプロデュースと緻密なマネジメント、そして人の懐にスッと入る柔軟な人柄を武器に、数々のクライアントの本質的課題に切り込み、解決へと導いてきた。

2025年6月、「GMOクラウドEC」エバンジェリストに就任。
GMOメイクショップ株式会社との連携を通じて、EC領域のさらなる可能性を追求している。

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