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2026.02.13

色は、文字より先に伝わる記号のようなもの

色は、文字より先に伝わる記号のようなもの

私の息子が、まだ5〜6歳だった頃のこと。
数字の話をしているとき、突然こう言いました。

「3は、ミドリだよね」

数字に色?何言ってるんだコイツは?笑

最初は何を言っているのかわかりませんでしたが、
調べてみると、数字や音に色を感じる「共感覚」と呼ばれる感覚があることを知りました。
息子の場合は一時的で、強いものではなかったようですが、
数字ごとに色が結びついて見えていたようです。
そこには、教えられたわけでも、説明されたわけでもない
「3=ミドリ」が、すでに成立している状態がありました。

これは少し極端な例かもしれません。

けれど、共感覚とまではいかなくても、
私たちは日常の中で、色から多くの情報を受け取り
説明される前に、意味を理解していることはないでしょうか。

読む前に、もう判断している

ボタンの色を変えただけで、操作感や印象が大きく変わることがあります。
テキストは同じで、情報量も変わっていない。
それでも、「押しやすそう」「不安」「危険」と一瞬で感じ取ってしまいます。

多くの場合、理解する前に、行動を決めていることってありますよね。
赤を見ると身構え、
青を見ると落ち着き、
グレーを見ると優先度を下げる。などなど。
過去の経験や環境の中で、そう判断する癖が、身体に染みついているものです。

だから、UIにおける色は、すごく重要で、色と行動をマッチさせる必要があります。

UI/UX設計では、色から決めるものがある

UI/UX設計において、色は最後に調整する要素ではありません。
少なくとも、行動が関わる要素については、最初に決めておく必要があります。

まず次のような整理が必要になります。

  • 押してほしい行動はどれか
  • 今は止めたい行動はどれか
  • 注意を向けたいポイントはどこか
  • 優先度を下げたい要素はどれか

次に、その行動に、色を割り当てていきます。

  • 「押していい」はどの色か
  • 「注意が必要」はどの色か
  • 「今は使えない」はどの色か

ここで初めて、赤・青・グレーといった色が登場します。
色を決めるのではなく、行動に色を割り当てる。
この順番を間違えると、見た目は整っていても、操作に迷いが生まれます。

色は、装飾の一部ですが、行動を即座に判断させるための情報でもあります。

UI/UX設計における色は、見た目を整えるための後処理ではなく、
行動を整理するための設計要素です。

UI/UXにおける色

UI/UXの中で、色がどのように読まれ、どのように意味として扱われているか、
色の印象や好みの話ではなく、その前提について考えてきました。

色は説明されなくても、意味として理解されてしまう。
だからUI/UXにおいて色は、装飾ではなく、記号として扱われていることも多くあります。

設計とは、その前提を意識したうえで、意味を置いていく作業です。

色を選ぶことは、見た目を決めることではなく、UIの中でどう行動させるかを決めること。
そう捉えると、色の扱い方が、少し変わって見えてくるかもしれません。

この記事の著者

原 暢平

原 暢平 HARA Yohei

株式会社 もずくとおはぎ CCO

落ち着いた物腰と柔らかな佇まいの中に、青い炎のような熱を秘めている。

妥協を一切許さない彼のスタンスは、細部にまで理由を宿したデザインを紡ぎ出すため。
その設計へ一貫して注がれる美意識は、まさに職人技。

どこまでも貪欲に高みを目指し、進化していく自分を楽しみながらクリエイティブと向き合っている。

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