色は、文字より先に伝わる記号のようなもの
私の息子が、まだ5〜6歳だった頃のこと。
数字の話をしているとき、突然こう言いました。
「3は、ミドリだよね」
数字に色?何言ってるんだコイツは?笑
最初は何を言っているのかわかりませんでしたが、
調べてみると、数字や音に色を感じる「共感覚」と呼ばれる感覚があることを知りました。
息子の場合は一時的で、強いものではなかったようですが、
数字ごとに色が結びついて見えていたようです。
そこには、教えられたわけでも、説明されたわけでもない
「3=ミドリ」が、すでに成立している状態がありました。
これは少し極端な例かもしれません。
けれど、共感覚とまではいかなくても、
私たちは日常の中で、色から多くの情報を受け取り
説明される前に、意味を理解していることはないでしょうか。
読む前に、もう判断している
ボタンの色を変えただけで、操作感や印象が大きく変わることがあります。
テキストは同じで、情報量も変わっていない。
それでも、「押しやすそう」「不安」「危険」と一瞬で感じ取ってしまいます。
多くの場合、理解する前に、行動を決めていることってありますよね。
赤を見ると身構え、
青を見ると落ち着き、
グレーを見ると優先度を下げる。などなど。
過去の経験や環境の中で、そう判断する癖が、身体に染みついているものです。
だから、UIにおける色は、すごく重要で、色と行動をマッチさせる必要があります。
UI/UX設計では、色から決めるものがある
UI/UX設計において、色は最後に調整する要素ではありません。
少なくとも、行動が関わる要素については、最初に決めておく必要があります。
まず次のような整理が必要になります。
- 押してほしい行動はどれか
- 今は止めたい行動はどれか
- 注意を向けたいポイントはどこか
- 優先度を下げたい要素はどれか
次に、その行動に、色を割り当てていきます。
- 「押していい」はどの色か
- 「注意が必要」はどの色か
- 「今は使えない」はどの色か
ここで初めて、赤・青・グレーといった色が登場します。
色を決めるのではなく、行動に色を割り当てる。
この順番を間違えると、見た目は整っていても、操作に迷いが生まれます。
色は、装飾の一部ですが、行動を即座に判断させるための情報でもあります。
UI/UX設計における色は、見た目を整えるための後処理ではなく、
行動を整理するための設計要素です。
UI/UXにおける色
UI/UXの中で、色がどのように読まれ、どのように意味として扱われているか、
色の印象や好みの話ではなく、その前提について考えてきました。
色は説明されなくても、意味として理解されてしまう。
だからUI/UXにおいて色は、装飾ではなく、記号として扱われていることも多くあります。
設計とは、その前提を意識したうえで、意味を置いていく作業です。
色を選ぶことは、見た目を決めることではなく、UIの中でどう行動させるかを決めること。
そう捉えると、色の扱い方が、少し変わって見えてくるかもしれません。



