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2025.12.24

ECの売り方は定価だけじゃない?オークションが広げる新しい選択肢

ECの売り方は定価だけじゃない?オークションが広げる新しい選択肢

オークションが“じわじわ再評価”されている理由

定価販売だけだと、値付けがしんどい瞬間が増えている

「定価で売る」って、めちゃくちゃ強いんです。運用も読みやすいし、利益計画も立てやすい。
ただ、最近のECはちょっと気が利きすぎてて、値段まで“正解っぽく”見せてくる。でも現場は知ってますよね。
値付けって、Excelで解けないタイプの問題が混ざってる。

型落ち・余剰在庫・一点もの・中古・リユース。
こういう“価格が固定されにくい商品”が増えるほど、定価だけだと窮屈になります。
定価販売だけで回そうとすると、最後はだいたい「セール名」に頼り始めます。
春の大感謝祭、夏の大感謝祭、秋の大感謝祭、冬の……。感謝、多すぎ問題。

市場データが示すのは「納得できる価格決定」へのニーズ

経済産業省の「令和5年度 電子商取引に関する市場調査」※1によると、2023年のCtoC-EC市場規模は 2兆4,817億円(前年比5.0%増) と推計されています。BtoC-ECも 24兆8,435億円(前年比9.23%増) と拡大。
市場が伸びるほど、「誰かが決めた価格」ではなく「納得して決まる価格」への期待が高まっている、という見方もできます。

オークション導入で得られるメリット

1.“適正価格”を市場が決めてくれる(ダイナミックプライシングの現場版)

オークションは、需要に応じて価格が動く仕組み。いわば「現場で回るダイナミックプライシング」です。
希少性が高いほど競り上がり、早く動かしたい在庫ほど競り下がりが効く。
値付け会議で「これ、いくらが“正しい”んだっけ…」と沈黙が訪れる商材ほど、救われます。
会議室に漂う、あの“正解を探してるふりをしている空気”。あれ、オークションに投げると消えます。

2.在庫処分を“値引き”ではなく“イベント”にできる

値引きは即効性がある反面、やり方を間違えるとブランド毀損になりがちです。
「最後は値下げすれば売れる」って、便利なんですが——それ、筋トレで言うと“毎回チートデイ”みたいなもので、体(ブランド)が仕上がらない。

オークションは「参加体験」そのものが価値になるので、処分を“前向きなイベント”にしやすいのが強みです。
値下げで“買わせる”より、オークションで“参加したくなる”を作る。ここ、地味に効きます。

3.参加体験がロイヤルティプログラムになりうる

入札、通知、終了間際のせめぎ合い。これはただの買い物じゃなく、ちょっとしたスポーツです(観戦じゃなく参戦)。
会員ランク・先行入札・限定公開などと組み合わせると、リピートの理由を設計しやすくなります。
“買う理由”をクーポンだけに預けると、クーポンが切れた瞬間に愛も切れます。人間って、正直。

通常のECと何が違う?オークション型ECの仕組み

まず押さえるのは「公開入札」と「封印入札」

公開入札は、入札額が見えて競り上がる方式。盛り上がりを作りやすい。
封印入札は、最後に開札して決まる方式。高額商材やBtoBなど、冷静な判断や公平性が求められる場面で相性が良い。
要するに、盛り上げたいなら公開、納得感と公平性を重視するなら封印
ここで選び間違えると、「本当は静かに売りたいのに、なぜか体育祭になる」みたいな事故が起きます。

「競り上がり」だけがオークションじゃない

ここ、誤解されがちなんですが、オークション=競り上がりだけじゃありません。
たとえば GMOクラウドEC オークションの公式サービス紹介ページでは、
競り上がり/事前入札(上限まで自動)/封印入札/競り下がり といった複数の入札方式が紹介されています。
さらに同ページ内で、過去の落札価格などの相場情報の提供や、閲覧・入札・落札履歴などをもとにした レコメンド表示/レコメンドメール(AIレコメンド) といった機能も“紹介項目として”掲載されています。※2
(※提供範囲や実装内容は要件・プラン・構成で変わることがあるので、最終的には個別確認が安心です。)

運営は「商品を並べる」より「熱量を設計する」仕事になる

開催頻度、終了時刻、通知、延長ルール、特集の組み方。
オークションは、ここを設計した分だけ結果が変わります。
通常ECの導線設計が、オークションでは“熱量設計”に近い感覚です。
そして熱量は、だいたい終了30分前に湧きます。人間、締切が好きすぎる。

GMOクラウドECで実現するオークションサイト

スクラッチより「ECパッケージ/クラウド」で現実解を取りにいく

入札・締切・同時アクセス・不正対策……オークションは地味に論点が多い。
スクラッチで作ると、だいたい途中でこうなります。
「入札の延長、仕様どうします?」
「不正入札、どう検知します?」
「決済、いつ確定します?」
……そう、“仕様の森”です。迷うと戻れないやつ。

だからこそ、土台が整ったECパッケージ(クラウド)を活用し、必要な部分に投資する方が、特にエンタープライズでは合理的になりやすいです。

API連携と運用設計が、エンタープライズでは効いてくる

オークションは出品・落札・会員のデータが増えます。基幹や周辺システムとのAPI連携を前提にした設計ができるかで、運用負荷が変わる。
「現場に入力をお願いして回る」運用は、だいたい最後に“誰かの善意”で支えられます。善意って、燃料にするといつか枯れます。

決済面でも、クレジットカードの不正利用対策としてEMV 3-Dセキュア等への対応が求められる流れが明確になっています。※3
ここは「機能」だけでなく「運用」とセットで押さえるのがコツです。

向いている商品・事例、そしてはじめの一歩

向いているのは「価格が固定されにくい商品」

限定品・一点もの・中古/リユース・コレクター商材・型落ち・在庫の波が大きい商材。
日用品をネットスーパー的に安定供給する“定価EC”と、イベント性のある“オークション”は、役割が違います。
全部をオークションにする必要はなく、二刀流が強いケースも多いです。
「全部オークションにしよう」は、全商品をライブコマースにするくらい元気が要ります(体力と人員が…)。

事例:コベルコ建機日本のネットオークション導入

コベルコ建機日本株式会社様の事例※4では、従来リアルで実施していた封印入札(一般競争入札)に加え、ネットオークションで競り上がり入札を採用。価格変動がリアルタイムで見えることで、締め切り間際まで盛り上がる様子が紹介されています。
また、ネットオークションは2週間に1回ペースで開催し、競り上がりで想定額を上回るケースがあること、さらに基幹システム連携で、落札後の入力作業が「毎回1時間ほど→15分ほどの確認作業」に短縮された旨も述べられています。

まずは「どの商品を、どんな目的で」から

オークションは“裏技”ではありません。設計が効く、ちゃんとした売り方です。

「定価だけだと動かない在庫がある」「価値が伝わりにくい商材がある」——そんなときは、オークションを“もう一枚のカード”として持っておくと強い。

オークション導入を検討するなら、最初にやることはシンプルです。

1)オークションに向く商材の切り出し
(値付けが難しい/在庫の波がある/希少性がある)
2)運用の型づくり
(開催頻度・入札方式・会員導線・リスク対策)

この2点を整理した上で、GMOクラウドECのオークションで「どこまで標準でできて、どこから拡張が必要か」を当てはめると、EC構築の見通しが一気に良くなります。


“売り方の設計図”ができると、導入は難しい話じゃなくなります。むしろ難しいのは、最初の1枚を決めること。定価だけで戦い続けるのか、それともオークションという武器を持つのか。

選択肢が増えると、会議の最後に「じゃあセールで」が減ります。


▼出典・参照

[※1] 経済産業省:令和5年度電子商取引に関する市場調査

[※2] GMOクラウドEC:オークションサイト構築システム
クラウド型オークションシステム

[※3] 経済産業省:「クレジットカード・セキュリティガイドライン」改訂

[※4] GMOクラウドEC:導入事例(コベルコ建機日本)
ショベルやクレーンなどの中古建設機械の売買が“ネットオークション”の導入で活性化。リアルオークションとの相乗効果も期待

※関連リンク:「GMOクラウドEC」公式サイト

この記事の著者

浦川 航平

浦川 航平 URAKAWA Kohei

株式会社 もずくとおはぎ 代表取締役 CEO

長崎県佐世保市出身。 経営者と芸術家。ふたつの顔を持つ男。

家具・プロダクトデザイナーから通販会社のダイレクトマーケッターを経て2012年にウェブ業界へ足を踏み入れ、2023年3月に独立。経営者の道へ。

「右脳」と「左脳」を自由に行き来する独自のスタイルで、戦略的なプロデュースと緻密なマネジメント、そして人の懐にスッと入る柔軟な人柄を武器に、数々のクライアントの本質的課題に切り込み、解決へと導いてきた。

2025年6月、「GMOクラウドEC」エバンジェリストに就任。
GMOメイクショップ株式会社との連携を通じて、EC領域のさらなる可能性を追求している。

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